経営事項審査申請の電子申請を行政書士事務所に委任する方法

はじめに

2023年1月より、建設業許可と経営事項審査(経審)の電子申請が開始されました。
(東京都は2023年10月23日から)

当社でも、経審は電子申請を積極的に活用していく予定です。最大のメリットは、対面の審査とは異なり予約不要で申請できる点だと考えています。

しかし、申請会社の方々にとっては、電子申請の準備が面倒だと感じられるのではないでしょうか。

そこで、経審の電子申請を行政書士事務所に委任するまでの流れを、この記事で解説していきます。当社顧問先の中小建設会社を想定して記事を作成していますが、同業者の方々にとっても、参考になるかもしれません。

経審の電子申請を委任するまでの大まかな流れ

まずは、建設会社が経審の電子申請を行政書士事務所に委任するまでの、大まかな流れを確認しておきます。

  1. GビズIDの作成
  2. GビズIDでの委任設定
  3. JCIPでの委任設定

建設業許可等の電子申請はJCIPというシステムを活用して行いますが、JCIPにログインするためにはGビズIDが必要なのです。なお、入札参加の手続きをするときに必要となる電子証明書は、建設業許可・経営事項審査の電子申請には使いません。

おそらく、最初の「GビズIDの作成」が最も苦戦されるポイントではないでしょうか。もっとも、GビズIDは補助金申請の際などにも利用しますので、すでに作成済みの会社もあるかと思われます。作成済みの場合は、2から先を確認してください。

GビズIDとJCIP

具体的な作成方法などを説明する前に、GビズIDとJCIPについて説明しておきます。

GビズIDとは

GビズIDのホームページには、次のように書かれています。

GビズIDは、1つのID・パスワードで 様々な行政サービスにログインできるサービスです。

出所:デジタル庁

2020年にサービスが開始され、経済産業省系の補助金申請などに活用されています。近年では電子でしか申請できない補助金も増えていますので、中小企業の間にも、ある程度は普及してきているのではないでしょうか。

中小企業庁が運営する「ミラサポplus」でも解説されていますので、より詳しく知りたい方はご参照ください。

マンガでわかる「GビズID」(経済産業省)

また、一部の労働保健関係手続にも利用できることから、厚生労働省も特設ページを作って解説しています。

GビズIDの登録方法(厚生労働省)

以上のように建設業許可・経営事項審査の電子申請以外にも活用できますし、現時点では維持費はかかりませんので、たとえ経審電子申請の予定がなかったとしても、作成しておくのがよいかと思われます。

JCIPとは

2023年1月から国土交通省がサービスを開始した、「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」のことです。建設業の許可申請や各種変更届に加えて、経審も電子申請が可能となっています。

Google ChromeやMicrosoft Edgeといったパソコンのブラウザから(スマホからも)利用できるシステムですので、利用するための準備はとくに必要ありません。ただし、ログインするには、先述のGビズIDが必要になります。

2024年12月時点において、大阪府と福岡県を除く行政庁で電子申請を受け付けているようです。詳しくは、国土交通省のサイトをご確認ください。

建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP:Japan Construction Industry electronic application Portal)(国土交通省)

経審の電子申請を委任するまでの具体的な手続き

それでは、具体的な手続きについて確認していきましょう。個人事業主でもGビズIDを作成してJCIPを利用可能ですが、ここでは法人(とくに株式会社・有限会社・合同会社)を前提に解説を進めていきます。

【手順1】GビズIDの作成

GビズIDをお持ちでない場合は、まずはIDを作成する必要があります。GビズIDを作成するときには「プライム」と「エントリー」を選べますが、必ず「GビズIDプライム」を作成してください。

GビズIDプライムの作成方法は、次の2通りあります。いずれの場合も、GビズIDのホームページから進めてください。

  • 書類郵送申請
  • オンライン申請

書類郵送申請の場合、印鑑証明書を取得する必要があります。専用フォームに必要事項を入力すると用紙が作成できますので、印刷して法人の登録印を押したうえで、印鑑証明書と一緒に郵送してください。1週間程度でメールが届くので、指定されたURLにアクセスしてスマホまたはガラケーにSMSを送ってもらい、本人認証を行って完了となります。

オンライン申請の場合は、無料で即日発行できるメリットがありますが、法人代表者のマイナンバーカードが必要です。さらに、「券面入力補助暗証番号(4桁)」と「署名用電子証明書暗証番号(6から16文字)」の入力を求められますので、そのあたりをクリアできないと厳しいです。



日ごろからマイナンバーカードを活用している方であれば、オンライン申請がお薦めです。「暗証番号なんて覚えていない」という方は、書類郵送申請がよいと思われます。

【手順2】GビズIDでの委任

GビズIDプライムのアカウントを作成してログインできるようになったら、GビズIDのシステム上で行政書士への委任をします。

ログイン後、マイページTOPのサイドバーから「委任先一覧・委任申請」へ進んでいただき、委任する行政書士のアカウントID(メールアドレス)を入力してください。
*当社のアカウントIDは、通常、お客様とやり取りしているメールアドレスとは異なります。プレアデスに委託される場合は、担当者にお問い合わせください。

続いて、「対象サービス」から「建設業許可・経営事項審査電子申請システム」を選択して、受任者アカウント情報の下にある「委任申請」ボタンを押します。なお、委任終了日は余裕をもって設定してください。
*プレアデスに委託される場合は、委任終了日は空欄のままにしてください。



委任した行政書士には自動的に通知が届きますので、とくに連絡は不要です。

【手順3】JCIPでの委任

【手順2】でGビズIDの委任を受けた行政書士は、JCIP上で委任状を作成して申請会社への承認依頼をします。

申請依頼がされたときにも、自動的に通知が届きます。ですので、【手順2】が終わってからは、次の通知メールが届くまでしばらくお待ちください。

承認依頼のメールにJCIPのURLが記載されています。そのリンクをクリックすると、GビズIDでログインすることになるわけです。

JCIPにログインできたら、通知欄に「委任状の承認依頼があります。ご対応をお願いします。」と表示されているはずですので、内容をご確認のうえ、「承認」(または否認)のボタンを押してください。

なお、利用者識別番号と暗証番号の入力は基本的に不要です。
(必要な場合は別途連絡いたします)

具体的な手続きの流れは以上です。
この先は、行政書士側で経審の電子申請を進めてまいります。

おわりに

建設業許可に関する電子申請のデメリットとして、「他人に申請(届出)内容を簡単に閲覧されてしまう」という点が指摘されています。従来からある紙による申請や届出であれば、例えば東京都知事許可の場合は都庁まで行って申込みをしないと、申請書類の閲覧はできません。1件につき300円の手数料もかかります。

これに対して電子申請された提出書類は、「JCIP電子閲覧システム」の対象となり、インターネットでどこからでも無料で閲覧できる仕様となりました。建設業法の目的である「発注者保護」には沿っているのかもしれませんが、自社の経営に関する情報を気軽に閲覧されるようになって喜ぶ経営者は少ないのではないかと思われます。

この点、経営事項審査は以前から結果が公開されているせいか、申請書類自体は閲覧の対象となっていません。つまり、閲覧に関して電子化による影響は受けないのです。

また、2025年5月1日以降に審査を受ける経審においては、東京都では予約システムの利用が義務付けられることになっています。ただし、予約の変更は電話でしかできなかったり、予約のキャンセルには厳しい対応が予定されていたりと、あまり使い勝手の良いシステムにはならないようです。

このような状況から、当社でも経審については電子申請を積極的に活用していく予定です。申請会社のみなさまにおかれましても、経審電子申請のメリットをご理解のうえ、準備を進めていただけると幸いです。

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